過去ログ - ドラえもん のび太の時間逆説
1- 20
2: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:19:16.89 ID:qs0RcewUO
1974年。日本にセブンイレブンがやってきた年。高校一年の夏休み。私はまたここに帰ってきた。

私はA4判のすすけた封筒から300まいにも及ぶ手紙を取り出し、眺めるように読んだ。もとはキャンパスノートに書かれたものを、野比さんに頼んで複写してもらったものだ。

何十何百と読み返したそれは、汗でにじみ、ふやけ、ボロボロになっている。
以下略



3: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:29:53.99 ID:qs0RcewUO
テレビでは連日、米大統領辞任のニュースが躍る。くだらない。

私は胡座をかきながら、頬杖をつき、感傷に浸りながら、すうっと、紅茶を一口あおった。

あれから、4年。みんなとは疎遠になってしまったが、必ず彼の命日には、墓参りのあと、決まって剛田商店で集まって乱痴気騒ぎを起こすのは恒例行事となっている。
以下略



4: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:36:24.27 ID:qs0RcewUO
あの日、ドラえもんはタイムパトロールに回収された。

おかしい。何かがおかしい。

なぜ、誰も気がつかないの。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/11/04(火) 19:39:51.29 ID:8KcVXOqC0
期待


6: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:43:33.57 ID:qs0RcewUO
そういえば、お風呂を覗かれたりもしたっけ。巧言令色に欺かれて全裸で外に連れ出されたこともあったっけ。本当にいやらしい人。

死んでも私を苦しめる。

なんだかんだ言って彼が好きだったのかもしれない。私ってダメな人がタイプなんだわ、きっと。
以下略



7: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:52:39.28 ID:qs0RcewUO
表層の数枚で澄んだことに安堵した。

私はその紙を摘んで、階下に下りる。脱衣場でパパが絵葉書用の筆を乾かしている、ハンガーを見つけ代わりに吊るした。

ふと、紅茶のシミの世界地図を見ると、ふと汽水湖のような内陸の白い部分に目が止まる。
以下略



8: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 19:56:36.91 ID:qs0RcewUO
私はハンガーを放り出し、二階に走った。

ママがまた注意していたが知らない。

自室に入ると、小学生の時の縄跳びで部屋のドアノブをベッドの脚に括り付ける。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/04(火) 20:06:44.76 ID:d3+H591Zo
期待


10: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 20:07:46.05 ID:qs0RcewUO
19:20

ラジオでは、またニクソン大統領がうんたらと、さして興味もないくせに報道している。ここ何日かで、何百回聞かせれば気がすむと言うのだろう。

うんざりした私は、カセットをオンにして、ナウい洋楽を聴き始める。ビートルズ、最、高。
以下略



11: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 20:17:02.68 ID:qs0RcewUO
私の部屋の窓は、ベランダから屋根続きになっていて、歩いてくることができる。しかし、道幅は狭く、少しつまづいたら真っ逆さま。

家の柵のトゲトゲに刺さって死ぬだろう。

私は落ち着いて、本棚から漬物石、もといジャポニカ百科事典を取り出し、何者かに向けて振り被る。
以下略



12: ◆s0yIzPtngH9q[saga]
2014/11/04(火) 20:28:19.48 ID:qs0RcewUO
「何をしていたんだい。話してごらん。無理にとは言わないけれど。」

「いつも通りよ。ただ思い出に浸っていただけ。」

「そうだね。静、君は若い。友達、それもあれだけ仲のいい友達がなくなったんだ。受け入れるのには時間がいるさ。ゆっくりでいい。時間が癒してくれる。」
以下略



31Res/11.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice