1:前に書いたものの焼き直しです
2014/11/05(水) 19:59:32.24 ID:7XpzpOnTO
prologue
僕はオレンジ色の種を一粒蒔いた。
彼女がのこしたその種を柔らかい土の小さな穴に、そっと埋めた。
「夢の花は季節に関係なく咲く。
育てる人の叶わなかった夢が花の唯一の栄養となるから。
でも室温は高すぎたり低すぎたりしないようにしてね。
それと水を毎日あげること!」
彼女が種とともにのこした癖字で書かれたメモを読み返す。
もう何度目になるかも分からない。
僕は小さな黄色いジョウロで少しだけ水をかけた。
茶色い土は黒っぽくなった。
やがてプラスチック製の茶色いプランタに埋められた種は芽を出し、生長し、花を咲かせるのかもしれない。
咲かせないのかもしれない。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:01:22.34 ID:7XpzpOnTO
しばらくプランタの中を覗き込んだ後、顔を上げて空を見た。
秋晴れの空には、細かにちぎれた雲が列状に行儀よく並んでいる。
そのうち雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない。
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