過去ログ - 黒神めだか「ふむ、ここが学園都市か」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/07(金) 04:05:02.70 ID:VGfIVQcvO
「黒神めだか。私は君を憎んでいるのかもしれない」

「はい」

「感謝しているのかもしれない」

「はい」

「羨んでいるのかもしれない」

「はい」

「やっぱり憎んでいるのかもしれない」

「はい」

「彼女を助けたのも、殺したのも、君なのだから。それくらいは許してもらいたいよ」

「どうぞ、私は逃げません」

「……君みたいな主人公に、私もなりたかった」

静寂が箱を支配した。

「……少々、戯言を遣い過ぎたね。迎えを用意しよう」

「待ってもらいたい、アレイスター=クロウリー学園都市総括理事長」

見上げるように見下して、人類最大は応える。

「なんだい」

それに答えたのは。

「安心院なじみからの伝言だ、アレイスター=クロウリー」

ただそこにいた、人外だった。

「君は……そうか、バックアップだね」

「俺は反転院だ、さっさと済ませるぞ」

「聞いてくれ、アレイスター=クロウリー。これが、安心院なじみの真髄だ」

「こほん、では……」

今さら何を伝えられようと。

今さら何を明かされようと。

今さら何をどうされようと。

アレイスター=クロウリーは揺るがないと、思っていた。

けれど。

「『親愛なる我が友人に伝える』」

その一言で、アレイスター=クロウリーの眼からは世紀単位で枯れていた涙が溢れた。

「『僕の胸のうちを明かそう』」

水槽の中では涙なんてわからないはずだけれど。

「『あの頃の僕は君にだいぶ救われた』」

その表情はみっともないほど歪んでいて。

「『ありがとう』」

心が震えているのだから。

「ああ……ありがとう」

箱の中には一人の男がいた。

救われて、終わった、男が。


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