過去ログ - 京太郎「閉ざされた扉」
1- 20
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/07(金) 16:32:58.25 ID:Ez/UEZyn0


約束の時間にはまだ余裕はあるが、早目に越したことはない

ゆったりと歩いて母校となった高校へと足を踏み入れる

校庭、植込み、玄関口、下駄箱……

変わってない。あの頃と何一つとして

だけど俺はそれを懐かしいとは感じていなかった

ただ“変わっていないな”という現状認識しかなく

想い出の感傷に浸ることもなければ

過ぎ去った時を賛美することもない


事務所で用件を伝えると、話が通っていたのか

あっさりと校内へと通された

OBではあるし、それなりに名の知れたプロだし

俺がここにいて怪しむ要素を探す方が難しいか

しかし、よく会うことを了承してくれたものだな

電話口で俺を嫌悪しているのはハッキリと分かったし

また俺もできることなら

彼女と会うのは避けたままでいたかった


だが彼女は俺と会うことを選んだ

その意図は分からないが、会ってくれるのならば

俺の方にはそれを受けない理由など微塵もなく

重たい腰を上げ、鈍った足を引きずって

三年という――長いようで短い時間を過ごした

白糸台高校へと戻ってきた


甚だ不本意ながら

決着をつける前に、ここで

やっておかなければならないことがある




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
102Res/37.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice