4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/07(金) 16:32:58.25 ID:Ez/UEZyn0
約束の時間にはまだ余裕はあるが、早目に越したことはない
ゆったりと歩いて母校となった高校へと足を踏み入れる
校庭、植込み、玄関口、下駄箱……
変わってない。あの頃と何一つとして
だけど俺はそれを懐かしいとは感じていなかった
ただ“変わっていないな”という現状認識しかなく
想い出の感傷に浸ることもなければ
過ぎ去った時を賛美することもない
事務所で用件を伝えると、話が通っていたのか
あっさりと校内へと通された
OBではあるし、それなりに名の知れたプロだし
俺がここにいて怪しむ要素を探す方が難しいか
しかし、よく会うことを了承してくれたものだな
電話口で俺を嫌悪しているのはハッキリと分かったし
また俺もできることなら
彼女と会うのは避けたままでいたかった
だが彼女は俺と会うことを選んだ
その意図は分からないが、会ってくれるのならば
俺の方にはそれを受けない理由など微塵もなく
重たい腰を上げ、鈍った足を引きずって
三年という――長いようで短い時間を過ごした
白糸台高校へと戻ってきた
甚だ不本意ながら
決着をつける前に、ここで
やっておかなければならないことがある
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