過去ログ - 後輩「先輩、やっぱりここにいたんですね」
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[saga]
2014/11/09(日) 23:40:42.40 ID:Gwy6WD/L0
頬に手を添えていた腕を動かし、そのまま顔の上に乗せた。
視界が遮断され、世界が黒く染まる。
男(明日になれば、消えるはず。早く寝よう)
そう思うが、一向に眠気は来ない。
むしろ目が冴えていくような感覚さえ、男にはあった。
胸のもやもやと腹の底に滲んでいるなにか。
それらが邪魔だった。
追い打ちをかけるように、一人の少女の顔が瞼の裏に浮かぶ。
図書館で見せた、友の表情だ。
男は友の事なんて名前くらいしか知らない。
放課後に二回会っただけなのだから当然だろう。
友が一方的に話した時間を除けば、男と友が言葉を交わしたとはっきり言えるのは十分にも満たないはずである。
男自身が友に言った通り、正真正銘の他人である事は間違いようもなく、男も僅かな疑いすら抱いていない。
けれど違和感があった。
その違和感のせいで眠れず、男は懐かしい感情を覚える。
ほぼ無意識だった。
頭の上にあるベッドの板を殴っていた。
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