過去ログ - 後輩「先輩、やっぱりここにいたんですね」
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(SSL)
[saga]
2014/11/10(月) 00:47:32.45 ID:XyWoQDJY0
後輩「最初にネタバレしちゃいましたけど、十歳まではそんな生活でした。最後の方は美味しいご飯が作れるようになりましたけどね。
で、私が生まれる前に死んじゃったお父さんの両親である、おじいちゃんとおばあちゃんに引き取られて、私はここにいます」
以上です、と言って後輩は話を終わらせた。
後輩「話してみると、結構あっけないものですね。先輩のお話を聞いたあとですから、どうしてもしょぼく思えますし」
男「……あぁ、そうか。そう言う事だったんだ」
後輩「なにがですか?」
男「なんでもないよ」
話を聞き終えて男が真っ先に思い浮かべたのは、友の顔だ。
あの子の顔を思い出して、どうして寝付けなかったのか、ようやく男は自覚した。
ただ単純に、純粋に、羨ましかったんだ。
後輩が近くにいなくとも、彼女のためだけに本気で怒れる友と言う友人がいる事が。
羨ましい、などと何年も思った事がなかったので、男はわからなくなっていたのだ。
けれど、思い出したくなかったとすぐに後悔する。
周囲と自分は違うと思っていた。
思い込もうとしていた。
たった十七年しか生きていない子供が。
反動が凄まじい。
胸を圧迫するこの感情はすぐにわかった。
寂しい。
そう訴えている。
体が、心が、頭以外のすべての細胞一つ一つが。
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