過去ログ - 咲子「軒下のモンスター」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/13(木) 01:16:49.65 ID:BMrhYf07o
◆ひなビタ♪SSです

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:18:01.63 ID:BMrhYf07o
私が彼女を始めて見たのは、まだまだ小さいころ。
あれはいくつだったかな……本当にまだ、小さいころだったと思う。

鄙びた商店街の洋服屋さんから出てきたおかっぱの黒髪の女の子。
その時の印象は、凛としてて、この商店街にはそぐわない感じ。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:22:20.97 ID:BMrhYf07o
その気持ちが正しいのか、間違っているのか、私には分からない。
だって、女の子に恋するなんて。

同性じゃ結婚も出来ないし、子供も出来ない。
それは世間一般の常識の幸せで。実際それは正しい。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:24:24.15 ID:QyA16nvko
スルーするとこだった


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:26:15.30 ID:BMrhYf07o
それから少し経って、私と彼女はお友達になれた。
そう、ただの友達。
恋愛感情とは程遠い関係。
だけど、それでもいいんだ。
近くで彼女を眺められるならそれで…。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:30:24.60 ID:BMrhYf07o
そうは思っても、やっぱり行動に出てしまうことはある。
例えば、彼女に淹れてあげるミルクティーが他の人より多かったりとか。
チャンスがあれば、彼女に擦り寄る事を何度もした。

でも、やっぱり彼女は気付いてくれない。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:34:25.43 ID:BMrhYf07o
ある夏の日。
相変わらず彼女に彼氏はいないようだった。
いなくてよかった。
いたら私はそいつに何をするか分からない。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:38:33.39 ID:BMrhYf07o
その日のための浴衣を選ぶ私は、さぞ気迫があったことだろう。
どれなら彼女に気に入ってもらえるか。
どれなら彼女が気付いてくれるか。
そんなことばっかり考えてた。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:42:20.19 ID:BMrhYf07o
夏祭りの日。
選びに選び抜いた紫の朝顔が描かれた綺麗な浴衣。可愛らしい下駄。頭には黄色い花飾り。
それを身に纏って私は待ち合わせの一時間前から待ってた。
ちょっと早い?
いや、もしかしたら2時間前にもなってたかもしれない。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:46:24.28 ID:BMrhYf07o
「あ、さきこ、射的やろ射的っ」

「はい」

はしゃぎながら射的屋さんに駆け寄る彼女。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:50:20.56 ID:BMrhYf07o
隣にいる彼女は、真剣な表情で銃口をぬいぐるみへと向ける。
じっと狙いを定めて、腕を固定して。

パン!

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:54:14.61 ID:BMrhYf07o
結局彼女は私が頼んだぬいぐるみは取れなかった。
「きっと台に固定されてるんだし!」っておかんむり。
そんな彼女も可愛くって、ふふふ、と小さく笑っちゃった。

その後は一緒にわたあめを食べたりだとか、金魚すくいをしたりだとか。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 01:58:48.67 ID:BMrhYf07o
「今日は、ありがとうございます」

「いいのいいの、あたしに付き合ってくれてありがとね、さきこ」

「い、いえそんな……」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:02:30.68 ID:BMrhYf07o
寂れた離れの神社。
夏祭りだというのに、ここには誰も居ない。
いや、誰かにいられたら困るんだけど。

まるで誰かに捨てられたかのよう。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:06:45.18 ID:BMrhYf07o
だったら、もし私が男だったら、彼女を振り向かせられたのかな。
それとも、逆かも。
でも、今の私と彼女は両方共女で。
同性なんだ。
それを変える術は無い。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:10:30.20 ID:BMrhYf07o
誰もいなくなった真夜中の河原。
さっきまでの賑やかさが嘘のように、辺りは静寂に満ちる。
まるでサイレント映画の一幕みたい。
月はそこにいる私を照らし出すように上で輝いていた。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:14:30.38 ID:BMrhYf07o
叫び終わって、心の声はまだまだ騒いでいるけれど、私は河原に腰を下ろした。
月明かりだけが照らす河原。
その下にいるのは私だけ。

ふう、っと小さく風が吹いている。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:18:16.82 ID:BMrhYf07o
「さきこ、話が、あるんだけど」

「え、っ……?」

それから数日か経って。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:22:12.27 ID:BMrhYf07o
少し待って、やっと目の前から恋しい彼女がやってきた。
今の私には、待つ時間も幸福そのもの。

「イブちゃん、話って、なんですか?」

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:26:13.79 ID:BMrhYf07o


彼女の目は、戸惑いと疑いの色があった。

つまり、私がそうではないことを期待している。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/13(木) 02:30:17.91 ID:BMrhYf07o
「……さきこ?」

「えっ、あ、はい!私は、そんなんじゃ、ないですよ……」

「んー、だよね」
以下略



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