過去ログ - 【ボカロSS】一人だけの歌姫 -SS速報VIP

過去ログ - 【ボカロSS】一人だけの歌姫

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53: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:43:05.88 ID:UeB4vaiK0

　ううむ、今日のメイコは随分興奮している。しかしそこまであの子が有名人だったとは、成長したんだね、ミク。……ふふ、それに比べて私なんて。

「かつてわたしを応援してくれた子が今やメイコも驚くアイドルマスター……。色々あったけど、わたしはもう駄目かもしれません、いじいじ……」

以下略

54: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:44:29.94 ID:UeB4vaiK0

　兎に角現状を整理して考えてみよう。

　まずもっとも高いのが、新聞を始めとしたセールスだ。しかし私にはそんなものに払えるお金など皆無であるので、最近は金が無いと向こうも認識したのかめっきり減った。何より今は夜の八時過ぎ、流石にこんな時間にセールスは来ないだろう。

以下略

55: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:45:37.87 ID:UeB4vaiK0

「ハク、あんたどんな生活してんのよ……マジで」

　メイコが本気でドン引きしているけれど、わたしとてここは譲ることが出来ない。ちっぽけなプライドでメシが食えるなら誰とて苦労しないのだ。

以下略

56: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:46:52.81 ID:UeB4vaiK0

「あー……もう、そんな事情あるなら大家さんも分かってくれるでしょう？　もういい加減出なさいよ。居留守使うには五月蝿すぎだし」

　そう腰を上げたメイコの身体を必死に掴む。それだけはさせてなるものか！

以下略

57: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:48:15.00 ID:UeB4vaiK0

　ああオワタ。完全にオワタ。さようなら、わたしの平穏な人生。せめてミクにさよならだけは言いたかった。友達にさよならも言えずに終わる人生なんて……。何の為に生きているか分からなかった人生だけど、お母さん、これからは波乱万丈の人生を送ることに――……あれ？

「あ、やっと出てくれた！」

以下略

58: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:49:26.27 ID:UeB4vaiK0

◆　　　◆　　　◆

以下略

59: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:51:01.17 ID:UeB4vaiK0

「でも良かった！　ハク、会いたかったよー！」

「あ、あの……わ、わたし……」

以下略

60: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:52:16.80 ID:UeB4vaiK0

「んじゃことの顛末はまた後日聞かせてねーー」

　そんなわたしを放置して（掴んだ手を蹴り飛ばして）、あろうことかメイコはすたこらさっさと玄関を出てってしまった。ああ、なんて薄情者！　裏切り者！　これでもミクの次には親友だと思っていたのに！

以下略

61: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:53:26.72 ID:UeB4vaiK0

「あはははははははは！　ハクのほっぺ柔らかいねー。五年前と全然変わってない」

「いきなりブルドック仕掛けてくるなんて酷いよミク！」

以下略

62: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:55:09.43 ID:UeB4vaiK0

　床に顔を直接つけそうなくらい、わたしは頭を下げた。ミクにあったら、まず謝ろうと、それだけは心に決めていた。心臓がドクドクと鼓動する。途端、吐きそうなくらい胸が痛くなって来た。
　それでも、言わなくちゃいけない。喉の奥から、精一杯言葉を吐き出した。

「ごめん、ミク。わたし、ずっとあなたを騙してた。ずっと、歌手になるなんて夢見た嘘をついて、あなたを傷つけてた」

以下略

63: ◆L.H4zceswM[saga]
2014/11/18(火) 22:56:17.13 ID:UeB4vaiK0

「なんで……なんで謝るの？」

「だって、わたし、ミクを……」

以下略

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