過去ログ - 十神「愚民が…!」腐川「医者なら救ってみなさいよ、ドクターK!」ジェノ「カルテ.5ォ!」
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499: ◆takaJZRsBc[saga]
2015/03/22(日) 21:09:38.72 ID:tFDRzsn80

               ◇     ◇     ◇


胸の中でパチパチと火が燃えるような苛立ちを感じながら、霧切は廊下を歩いていた。
食堂で何人かの生徒が騒いでいる。体育館で遊んでいる生徒達がいる。

だがそんなものは気に留めないで、霧切は足の向くままに校舎内をさまよった。


(……どうして、こんなに落ち着かないの)


無意識に思い出すのは、手の火傷をKAZUYAに診てもらった時のこと。


『……可哀相に。ずっと手袋で隠すのは辛かったろう』

『――仕方ないわ。自分の不始末の結果だもの』

『不始末?』

『霧切家には代々伝わる絶対の不文律がある。それは、他人に入れ込まず常に中立を貫くこと。
 探偵が個人的な感情で誰かに肩入れすることは絶対にあってはならないのよ』

『私達探偵は他人のプライベートを暴き、時に追い詰めることもする仕事。
 それ故周囲の人間に対し常に一線を引き、誰に対しても公平でなければならない』

『つまり、その火傷は誰かに深入りした結果ということか』

『そうね。この傷は私自身に対する戒めでもある。――本当は治さない方がいいのかもしれない』

『医者としては賛同出来んな。戒めは自分の心に深く刻み込めばいい。傷痕を
 隠すということは、本当はまだ自分の中で整理がついていないということだ。違うか?』

『…………』

『それに……こんな状況だ。周りと支え合わねば何も始まらない。
 もっと近寄って、仲良くしてもいいんじゃないか?』

『あら、ドクターが一番わかっていると思ったけど』

『俺が? 何を?』

『最近は以前程じゃないかもしれないけど、ドクターが一番距離を置いていたじゃない』

『…………』




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