過去ログ - 十神「愚民が…!」腐川「医者なら救ってみなさいよ、ドクターK!」ジェノ「カルテ.5ォ!」
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500: ◆takaJZRsBc[saga]
2015/03/22(日) 21:21:39.50 ID:tFDRzsn80

『医者は患者全員に平等でなければ務まらない仕事でしょう? 違うかしら?』

『……それだけじゃないがな。俺の一族は代々、時の権利者達にこの技術を狙われてきた。
 だから俺の家は決まった家名を持たないんだ。必ず婿に入り相手の家の名を名乗る』

『西城は母方の名前なのね』


ふと思い出した。KAZUYAと初めて会った時、彼は何故か名字を名乗らなかった。
彼にとっての名前は西城カズヤではなくKAZUYAだけなのだ。


『特定の誰かと親しくなれば、その人間が狙われてしまう。……過去に何度も友人が襲われた』

『…………』

『ここでは既に巻き込まれているし、逃げ場もないから親しくしているが……もし脱出したら
 俺は君達の前から去るだろう。だから君も、ここにいる間くらいはいいじゃないか』

『……協力はするわ。でもそれ以上の関係になるつもりはない』

『そうか。まあ、協力してくれると言うのなら無理強いはしないがな』

『本当にドクターはお節介な人ね。それがみんなから信頼される理由なのでしょうけど』

『すまんな。俺と君はどこか似ている気がして、どうしても言わずにいられなかったんだ。だって……』


『――そんな生き方、寂しいじゃないか――』


KAZUYAの悲しげな眼が、言葉が、霧切の脳裏に強く響く。


(寂しくなんかない……! 私は一人でも大丈夫。お祖父様からだって、もう一人前だと言われている!)


しかしそう反駁しながらも、心の中にいるもう一人の自分がどこか冷静に分析していた。


(……馬鹿みたいね)


すっかり意地になってしまっている。KAZUYAが保護者のように接するから、
父親の代わりに不満をぶつけているだけだと、心の底ではわかっていた。




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