過去ログ - 勇者の娘「お父様の仇を討ちます」
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135: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/02(火) 17:06:34.67 ID:4wPycDZ60
令嬢「暗黒騎士」

暗黒騎士「!」

体を彼に寄せる。暗黒騎士はビクッと跳ねたが、抵抗しなかった。
言葉はなく、時が静かに流れる。

暗黒騎士「―――なぁ」

先に沈黙を破ったのは暗黒騎士だった。

暗黒騎士「王が言っていただろう…王子との婚姻は」

令嬢「…私はもう、貴方の妻ですよ」

暗黒騎士「そ、それは…」

それは魔王城での話だ――言葉はそう続くのだろう。
だけど私にはわかる。暗黒騎士はその先の言葉を、言いたくはないのだ。

令嬢「私は、貴方の妻ですよ」

今度は彼の目を見つめて言った。
彼は唇をぎゅっと結び、私から目を離さなかった。

暗黒騎士「…本当なんだな?」

その声色は掻き消えそうなくらい不安で一杯で、彼にしては弱々しい。

暗黒騎士「お前はずっと…俺の側にいてくれるんだな?」

あの時の目だ。彼の私への気持ちが全て込められた、あの時と同じ目。
だけどその目はあの時のように私を突き刺すことはなく――

令嬢「――はい」

初めて彼に満面の笑顔を向けた。今はその目も、紅潮する顔も、愛しく思える。

ゆっくり時間が流れる湖畔。私と彼は互いの存在を確かめ合うように、触れ合った。


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