23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/11(木) 21:24:56.74 ID:AbiQ3mLi0
【今日のおすすめ おひたし】
男「……」
青年「旦那、大丈夫っすか? 顔色やばいっすよ」
男「どうも体調が悪くてな……」
青年「もう閉店だし、先に休んでて下さい」
男「すまんな」フラフラ
女「大丈夫かな?」
青年「あの人、けっこう無茶するからなぁ」
カランカラーン
師匠「……男は居ないのか」
青年「師匠さん! 珍しいっすね、こんな夜に」
師匠「おかげさまで自転車が濡れてしまうわい、まったく」
女「お久しぶりです、何になさいますか?」スッ
師匠「今日は話に来ただけなんじゃが……せっかくだし、酒とおひたしを頂こうか」フキフキ
青年「うっす、どうぞ」コト
師匠「ほう、早いな……どれ」
師匠(これは……普通のポン酢ではない!)
師匠「ふむ、いい味じゃ」
青年「上等なポン酢を貰ったらしいっす」
師匠「うむ。刺々しい辛さはまったく無く、まろやかな酸味と柚子の香りが素晴らしいの」
師匠(それにもやし、ほうれん草、わかめの歯ごたえ。非常にさっぱりとした一品じゃな)
青年「……今日はどんな用があったんすか?」
師匠「男の姉が、最近かなり力を入れて探し回っているそうだ」
女「?」
師匠「せっかくだから話しておこう。そこの女さんはほとんど知らんじゃろうし」
女「ぜひお願いします!」
師匠「男はかの名店、「花鳥亭」の跡取りじゃ」
女「花鳥亭って……あの高級料理の!?」
師匠「うむ。じゃが、あいつの信念と花鳥亭の料理は合わなかったようでの……」
師匠「ある日大喧嘩し、両親に勘当されて家を飛び出したそうじゃ」
女(だから、普段は適当なのに、料理に関してだけはあんなに真剣に……)
師匠「あいつの姉は弟思いでの。居なくなった男の事をずっと探していたそうじゃ」
青年「えっ、つまり此処がバレたら」
師匠「まぁ確実に「花鳥亭」へ連れ戻されるじゃろうな」
青年「」
師匠「それを警告しにきたんじゃが……伝えておいてくれんか」
女「はい……」
師匠「……そんな顔をするな。男も昔と違う。そう簡単に事が運ぶまいて」
青年「そうっすね……」
師匠「儂はそろそろ失礼する。じゃあの」カランカラーン
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