14:1[saga]
2014/11/23(日) 22:35:09.57 ID:rlRo/uli0
「…………頑張るって、ミキ言ったじゃん」
想起するのは、彼女の言葉。
「頑張れ、美希」
自分に言い聞かせるようにボソリと呟くと、瞬間体が濡れて冷え切っていたことに気付く。
開く瞼、広がる瞳孔。 心臓を早めようと小刻みになる呼吸。
唇だけではない、体全体が震えていた。 体が全力で死から遠ざかろうとしている。
そうだ、頑張るまでは、まだそちらに行くわけにはいかない。
「頑張るよ、ミキ」
今度は自分ではなく、彼女に向けて。
向こうに居る彼女は聞こえただろうか。
もう一度深く目を閉じると、誰かがこうしたのか解らない、
挿したままの鍵を反対方向に回した。
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