過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
1- 20
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 19:53:07.23 ID:QGKEYDT0O
最上階の一番大きなシアターは今見ている作品の他は上映していないらしく、ロビーは閑散としていた。

 「おい、古泉…っ!?」

 マルーンレッドのカーペットが敷かれたフロアを、古泉に引っ張られるようにして進む。
 居眠りしたくなるほど映画がつまらなかったのはわかった。
 わかったからとりあえず握った手を離せ!

 有無を言わさず引きずられて行った先は男性用トイレだ。
 中には案の定誰も居らず、そのまま奥の個室まで連れ込まれた。
 カチリ、と古泉が後ろ手に扉を閉め鍵を掛ける様を見てギクリとしたが、はっきり言って後の祭りだ。


 「ちょッ…!!待てまてまてま」


 間髪入れずに古泉の腕の中に抱きすくめられ、俺は精一杯に押し殺した声でタンマ、と叫んだ。
 制止も虚しく、壁にどん、と音が立つくらいの勢いで押し付けられ、その拍子にトイレットペーパーのホルダーで腰をぶつけたことを抗議する間もなく口を塞がれる。
 何でって?勿論古泉の唇でだ。

 「んッ…!、ふ、ぅ、んぅ…、ッ」

 あっという間にくちびるを割られる。
 薄く開いた歯列の隙間をぬぐうようにして、生ぬるい温度を持ったものが這入り込んでくる。それが上顎をたどると、びりっと電流が走ったみたいに力が抜けた。
 舌が蠢くたび、くちゅ、と耳に届くというよりは直接身体の内側に水音がひびく。
 息苦しさも相俟って、そのうちろくな抵抗も出来なくなる。
 よくない。
 これじゃまるで良いように古泉の手管に嵌まっているみたいじゃないか。

 「う…ッ、…ふぁ、っ」

 くちびるがわずかに離れた隙をついて顔を背ける。
 酸欠で頭がくらくらしてきた。
 古泉はそれ以上追ってこず、代わりにあらわになった首筋に口づけてくる。
 俺は肩で息をしているというのに、古泉の呼吸はちっとも乱れていない。どんだけ息が長いんだこいつは。

 「っ…、いい加減にしろよ、お前、ここがどこだと」
 「映画館のトイレです」


 わかってるなら自重しろよ。


 鎖骨を舐められる。
 窪みに吸いつかれ、思わず身体がびくついた。

 「仕方ないですよ。人目を気にして、一生懸命声を堪えるあなたが
  とても可愛らしかったもので」

 その台詞の"仕方ない"はどこにかかるんだ?
 まさか倒置法じゃないよな。

 「止めてくれ…っ古泉、頼むから」

 こんないつ誰が入って来てもおかしくないシチュエーションに耐え切れるほど、
 俺の神経は図太くないんだ。

 「そうですね…もしかしたら声が聞こえちゃうかも知れませんね」

 ふむ、と古泉が顎に指を当てる。

 だろ?お前だってこんなこと他人にばれてお天道様の下を歩けなくなるのは嫌だろ?と必死に取り縋るような俺の視線を受けつつ、古泉のくちびるが嫌な形に吊り上がった。



 「だからこそ余計に燃える、と思いません?」




 お前の道徳心に訴えたのが間違いだったよ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
88Res/138.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice