過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
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50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 19:59:47.20 ID:QGKEYDT0O
「もしも」
うつむいて思考する俺の上から、涼やかな声が落ちて沈黙を切る。
顔をあげると、そこに笑顔はなかった。
初めて見るような古泉の、存外鋭い視線に心臓が鳴る。
いつものように曲線を描いていない、薄いくちびるがゆっくりと動き、俺はそれを金縛りにあっているみたいに固まったまま見つめた。
「もしも、僕が…」
語尾を掻き消すようにして、携帯のバイブレーションが鳴り出す。
俺の携帯じゃない。
古泉は舌打ちでもしそうな表情を一瞬浮かべると、ゆっくりと目を閉じて下を向いた。
「出ろよ」
促すと、「すみません」と短く言ってポケットから取り出す。
液晶の表示も確認せずに通話ボタンを押し、ソファから立ち上がった。相手を確認しないのは、大方誰がかけてきたのか察しがついているからだろう。古泉が映画の最中でさえ電源を切らないのは、いつ連絡を寄越してくるかわからないそれの為だ。
会話が極力聞こえないようにか、俺から少し離れて携帯に向かって話す古泉の横顔が、誰が知らない奴みたいに見えた。
「……はい、………はい、…いえ、大丈夫です。では駅に」
一分も経たないうちに通話は終わったらしい。
古泉が歩み戻ってくる。
「……すみませんが、急用が入りました」
「ああ、……」
休日だというのに、ハルヒの奴が機嫌を損ねたんだろうか。
例のバイトか、とは聞かずにおいた。
「帰りは手配しておきますので。タクシーで送らせましょう」
「いや、いいよ……電車で帰る」
機関の人間には、なるべくなら関わりたくない。
固辞すると、古泉はそうですか、と呟いて、右手をわずかに持ち上げた。が、それをどうするでもなく逡巡させたあと、
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