過去ログ - 【咲-saki-ss】加治木ゆみ「開けずの扉」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/11/24(月) 21:35:50.16 ID:CCn7M9KF0
 三階は、我が麻雀部と音楽室の間––––つまり、あの謎のスペースがある場所である。

 だから。

 死体は翌朝まで誰にも発見されることがなかったのだと言う。

 騒ぎは翌朝に起こった。

 あの朝は、学校中が蜂の巣を突いたような大騒ぎになっていたので良く憶えている。飛び降りた時間から、生徒に昨日の様子を聞きに来る先生もいた。

 しかし、誰も昨日彼女を見ていないと言い張った。

 私は––––。

 そうだ、丁度独りで麻雀部の教室に居たように思う。

 部室は、まだそれほど暑くはなかった。今年は冷夏だったので、暑くなり始めるのも大分遅かったのだ。窓を開けただけで丁度良い気温になったのだ。

 だから何となく外を眺めていたのだけれども––––。

 それ以外のことは何も憶えていない。

 忘れてしまったのだ。

 そうだ、あの時––––扉なんてあっただろうか。

 思い出そうとしても、記憶がぼやけてしまっていては何も思い出せない。



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