過去ログ - 絵里「これは」にこ「恋ではない」
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6: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/25(火) 21:58:50.54 ID:gmNfp8uFO
なだれ込むように押し寄せるフラッシュの嵐。
彼女から表情さえも奪い取るような乱暴さに、僅かな苛立ちを覚える。
『正式な結婚の日にちは』
『今後のお仕事は』
『ご妊娠は』
無遠慮な質問にも、彼女はひとつひとつ丁寧に淀みなく回答していく。
そして。
『旦那様とは、どういったご縁で』
そこで初めて、言葉が止まる。少し困った顔で、微笑んで。
『高校時代の同級生で、お付き合いをして十年になります』
今度は記者たちが、言葉をつぐんだ。
彼女の経歴に記載されていた音ノ木坂学院は、十年たった今でも女子校のままだった。
『相手の方は、女性です』
水をうったように静まり返った会見会場で、拡声器を通したにこの声だけが反響する。
『私は、同性愛者なんです』
そう言って微笑む姿は、痛々しいだけだった。
傷つけられていく彼女を、これ以上見続けることは出来ないと思った。
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