過去ログ - ビッチ(改)
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30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 00:32:12.52 ID:sji++a7Lo

 自分の部屋でベッドに入ってからも僕は妹の言葉が気になって眠ることができなかった。
付き合い出した初日だし奈緒のこと以外は頭に浮かばないのが普通だろうけれども。

 でもこの瞬間にベッドの中で僕の脳裏に思い浮ぶのは妹だった。

 明日香は僕と奈緒が一緒にいるところを目撃し、奈緒が僕の好きな人だということを知
った。そして彼氏と別れた。その後美容院に行って髪を黒く染め服装も大人し目で清楚っ
ぽい服に着替えた。思い出してみれば妹の爪もいつもの原色とかラメとかの派手なマニュ
キアではなく、普通に何も手を加えられていないほんのりとした桜色のままだった。

 その全ては僕の好みに合わせたのだと妹は言った。いったいそれは何を意味しているの
か。本当は妹は昔から僕のことを好きだったのだろうか。妹の言動からはさすがにそれ以
外の回答は導き出すことはできなかった。少なくとも妹の変化に対して唯一僕が思いつい
た理由、つまり妹が彼氏と別れたから妹はイメチェンをしたのだということは、妹に一瞬
で否定されてしまった。

 あと今さらながら気になるのは何で妹が彼氏を振ったのかということだった。もちろん
彼氏のどこかが許せなくて別れたということなのだろうけど。

 それにしても妹が僕のことを好きなのかもしれないという前提でそれを考えると、僕が
奈緒に出会ったことを知ってすぐに彼氏を振った妹の行動には、僕のことが気になるから
ということ以外の理由は考えづらかった。

 僕と奈緒のことを気にして自分もフリーになったということか。

 そうなるともうこいつが僕のことを好きななのではないかということ以外に僕には思い
つくことはなかった。

 もう今日は考えるのをやめて寝よう。そう思って携帯のアラームをセットするために携
帯を手に取った僕はメールの着信があることに気づいた。僕はメールを開いた。それは奈
緒からのメールだった。


from :ナオ
sub  :無題
本文『こんばんは。用事なんて何もないんですけど奈緒人さんのことを思い出していると
全然眠れないからメールしちゃいました。まだ夜の七時だからいいですよね』

『今日初めて奈緒人さんと一緒に登校できて嬉しかったです。』

『何かあっという間にお別れの時間が来ちゃった感じでしたよね。本当はもっともっと奈
緒人さんに抱きついて一緒にいたかったです(汗)』

『あたし男の人と付き合うのはこれが初めてだからよくわからないんですけど、こういう
いつまでも一緒にいたいっていう気持ちは付き合ってれば普通に感じるものなんでしょう
か』

『それともあたしにとって奈緒人さんが特別な人なのかなあ。名前が似ているのもそうだ
し、出会い方だってロマンティックでしたよね?』

『明日また奈緒人さんに会うのを楽しみにしています。じゃあそろそろ寝ないと万一遅刻
したら嫌だし』

『おやすみなさい奈緒人さん。大好きです』

『奈緒』



 このメールは大分前に来ていたものだった。多分僕と妹がリビングで話をしていた頃に。
今からでは返信するには時間が遅すぎる。返事がなかったことに奈緒を失望させてしまっ
たかもしれないと思うといてもたってもいられなかったけど、もう後の祭りだった。

 明日の朝、奈緒に会ったら忘れずにフォローしよう。僕はそう考えた。そしてナオの
メールのおかげで妹のことを忘れることができた僕はそのまま携帯を握り締めながら眠り
についたのだった。


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