過去ログ - ウェイター「俺は勇者じゃないんだけども」 女兵士「貴様は勇者だよ」
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480: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/02/02(火) 04:11:20.83 ID:gUxXtgPo0
女兵士「それで、女貴族様。これより我々は鉱山に向かうことになるが、まさかついて来られるおつもりか?」

そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、女兵士がそう言ってこれからのことをどうする気なのか切り出した。彼女もこのまま明らかに身分が高い人間を、危険がある可能性が出ている場所に連れていくわけにはいかない。というシンプルな理由の上での発言だったが。

女貴族「あら、ご心配? 大丈夫ですわ、そのようなお気遣いはご不要ですわよ。ねぇ、ウェイター様」

言葉にトゲを混ぜて、意図して切り返してきた。ウェイターはそう感じていた。そんな風に言ってくるということは、怒りや不満の部類が想像できる。ただ、会ってから失礼な対応をした覚えがなく、理由が思いつかないと対処のしようもない。

切り返された言葉より、意図について考えが回っているウェイターに、女兵士が「どういう意味だ?」と質問を投げかけ、長も不思議そうに彼と女貴族の顔を見ていた。それに気づいて。

ウェイター「言葉通りさ。心配はいらねぇってこと、なんだけど」

とりあえず、女貴族の態度は一度おいて置き、何にしても彼には聞いておかなければならないことがあった。

ウェイター「お父様と、一緒に来られて、ますよね?」

女貴族「私は子供ではありませんのよ? なぜお父様といなければならないのでしょうか、ウェイター様」

目を閉じて、ゆっくりとため息をついてからウェイターは鉱山の前に街へ戻ると言い出して、仲間の静止も聞かずにその方向へ歩き出した。その様子を見ていた女貴族は、誰にもわからないように含みがある笑みを少し浮かべた。


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