2: ◆NKLpmDNl12[saga]
2014/12/02(火) 22:12:24.79 ID:ZpbmKY/Z0
私のスカート丈は長めで、それは誰にも肌を晒したくないから。でもあの子もスカート丈が長いけど、それはたぶん女の子らしくしたくなかったからなんじゃないかと思う。
出る杭は打たれるから、スポーツ万能で、少し日焼けして、それでも可愛いその子は他の子からあまり良い噂を立てられていなかった。けれどもそれを物ともせず笑っていたから、友達は多かったと思う。
私は陰口を言う側の人間だった。人のことを悪く言っている間だけ、結束が固まるような、そんな気がしたからだ。おそらく彼女も裏で何かしら言われていることは気付いていたと思う。
私は他の子からその子の話を聞くたびに、その子に視線を向けていたことを思い出す。
「一組の男の子フッたらしいよ」
「スポーツ推薦で大学入るらしいよ」
だいたいがうざいねー、うけるーという言葉が後に続くものだったが、私にとっては彼女への興味を淡々と募らせていく材料でしかなかった。
ある日、その子とすれ違った。夏なのに、汗の匂いが全然しない。代わりに彼女がいたところからは、違うシャンプーの香りがした。私はその日からお気に入りだったシャンプーを使うのをやめた。自分の髪から、あの子と同じ匂いがするのはとても不思議な感覚だった。
興味が指し示すまま私は動いた。陰口をいうのはやめた。友達がひとり、またひとりと話さなくなった。女の友情なんて、こんなもんかな、そもそも友情ですらなかったのかもしれない。それでも私は寂しくもなんともなかった。
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