過去ログ - 歩美「今は遥か、遠い彼方」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/14(日) 16:56:22.04 ID:GeYBv3C0O
コナン「......」フッ

その言葉を聞いた瞬間、コナン君は微かに笑った。

ほんの一瞬。とても、寂しそうに。

そして、その笑みを見た瞬間に私も我に返った。

でも、もう遅かった。

コナン「......ゴメンな、歩美」

歩美「え、あ、あの......。私、そんなつもりじゃ」

コナン「いや、良いんだ。歩美の言う通り。俺は......。オメーの側にいるべき人間じゃあ無いんだ」

歩美「コナン、君......?」

世界が滲んで見える。

コナン君の寂しそうな声を聞いて、自然と涙が出てくる。

ああ、私は何て事をしてしまったんだろう。

でも時間は戻らず、更に後悔は加速する。

コナン「......元々俺は誰の近くにもいちゃダメなんだ。でも、歩美がいてくれるのが嬉しかったからついつい突き放せなかった」

歩美「......」ガタガタ

身体が震えだした。今度は私の。

私にとって1番言われたくない事が、コナン君の口から出る様な気がしたから。

そして、その通りに。

コナン「でも、ここまでだ。俺の罪にオメーを巻き込む訳にはいかない」

歩美「つ、み......?」

コナン「今までありがとな、歩美。でももう俺に関わるな。もう俺の事は考えるな。自分の事だけを考えろ」

歩美「......」ポロポロ

声が出ない。何と返事をして良いかも分からない。

コナン「......じゃあな。悩み、聞いてやれなくてゴメンな」

そう言ってコナン君は振り返り歩き出した。

待って、と言いたかった。

コナン君の言っている事は全然分からなかったけど、それでも呼び止めたかった。

でも、コナン君の辛そうな背中を見たら声が出なくなった。

とても、踏み込めない。

そう思ってしまった。



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