過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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◆eohhG1Orlc
[saga]
2014/12/04(木) 02:41:07.74 ID:G2ivB1fDo
優しい口調で、それでいて厳しい言葉が耳元で囁かれた。
か細い腕が、美しく長い指が、私の首周りに絡まる。
「貴方は私の可愛い臣下。貴方は私の素晴らしい配下。私は女で、貴方は男」
「……お嬢様、これ以上は」
「真面目、真面目。本当に糞が付くほどの真面目な男。私だって何時も肩筋を張っているわけじゃないわ。甘えたい時だってある」
私の首筋を指先でゆっくりとなぞるお嬢様。
くすぐったく、それでいて何処か心地良い感覚が私の心臓を高鳴らせる。
突き放す事はいつでも出来る筈なのに、私はそれが出来ないでいる。
「つまらない事を言わないで安藤。我が妹だけが、フランだけが貴方を思っているわけではないの。私だって、貴方に思いを馳せている。この心に偽りなどない」
「……ですが」
「少しの間だけ、今だけ。私の心を受け入れて、私の甘えを受け止めてくれればそれで構わない」
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