過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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◆eohhG1Orlc
[saga]
2014/12/04(木) 02:39:47.76 ID:G2ivB1fDo
お嬢様は素晴らしい。この紅魔館の主として、吸血鬼として、フランの姉として、我が主として。
貴女は素晴らしい、掛け値無しに素晴らしい。
「どちらがより、貴方を認めているかしら。どちらがより、貴方を讃えているかしら。強く、気高く、より高位な者として」
「しかし、お嬢様。私はフランを裏切る様な真似は出来かねます。例え、それが貴女の命だとしても」
舌の縺れと痺れはいつの間にか消えていた。浮遊感は無くなり、私はハッキリとした口調でお嬢様に進言する。
「私は言ったわ、貴方が欲しいと。安藤は私を泣かせるつもりかしら」
「いいえ、その様な事は」
「ふふ、冗談よ。 ……でも、ここには私と貴方しかいない」
身を乗り出して、お嬢様はその息遣いを感じられる程の距離にまで私に近付く。
長い睫毛。桜色の唇。紅玉の様な美しき瞳は、吸い込まれそうな程に真っ直ぐ私を映している。
「貴方は私を受け入れ始めている」
「お戯れを」
「ではなぜ、抵抗しないのかしら? 唇を重ねていたのは気づいていたのでしょう?」
「お嬢様に手を上げるなど、以ての外です」
「そうやって、取り繕うのはやめなさい」
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