過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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◆eohhG1Orlc
[saga]
2014/12/04(木) 02:29:16.05 ID:G2ivB1fDo
情、というものは何かの拍子に強くなるものだ。
例えば、共に過ごしているその内に。例えば、尽くしてくれるその姿勢に。例えば、真摯に打ち込むその姿に。
彼は、安藤=バアル・ゼブルは我が可愛い妹と恋仲である。
そんな彼は、フランと恋仲である以前に我が紅魔館に尽くす執事であり、吸血鬼である。
私は安易に他人を認めるつもりはないし、見極めているつもりだ。
安藤は私の目に適う実力、気概、姿勢を持っている。そう判断したし、実際よくやってくれていると思っている。
『幻想に走り給う者』としても、フランドール・スカーレットの執事としても、我が臣下にして従者としても、申し分ないくらいに。
何時からだろうか。幾度の幕を越えて、私が彼を強く意識し始めたのは。
何時だろうか。その感情の、私の抱くこの心の正体に気付いたのは。
欲しいと思った。従者であれば咲夜以上の人材はいないし、彼女が居れば事足りる筈なのに。
手元に置いておきたい。妹の執事ではなく、この紅魔の臣下としてでもなく、私自身のモノとして傍らに。
我が名はレミリア・スカーレット。紅魔館の悪魔。永遠に幼い赤い月。
私は、他人のモノでも欲しいと思ったならば手に入れる主義だ。是が非でもと思ったならば、なおさらに。
例え、我が可愛い妹に尽くす者であっても。
例え、そうして『座』へと刻まれた『幻想に走り給う者』であっても。
安藤、お前に相応しいのは、きっと私なのだと思ったのだ。
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