過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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◆eohhG1Orlc
[saga]
2014/12/04(木) 02:30:25.27 ID:G2ivB1fDo
◇
視線には、気付いていた。
お嬢様から私が受けている、そのある種の感情の込められた視線に気付いていた。
きっと戯れか、それとも私をからかっているのだろうと思って気付いていないフリをしていた。
私はフランの恋人である。フランに我が身を捧げ、この紅魔館に忠誠を誓った吸血鬼である。
跪くべき相手は、こう言ってはなんだが、不敬ながらもお嬢様ではなくフランドール・スカーレットだと思っている。
確かに、お嬢様にだって大層な恩がある。だから、紅魔館の為ならば断崖への飛翔であっても行える。
故にお嬢様にも跪く。しかし、その最たるはフランだ。私の中の最高位は、世界の中心にはフランドール・スカーレットが居る。
だが、と心を揺すぶらされる様な事も最近は多くなっていた。
お嬢様と話す事が多くなった。よく呼び出されるし、そうして接触が増える機会も必然的に多くなっていった。
幻想に走り給う者として、臣下として当たり前の事だが、自然と、フランとの時間が減った。
一番はフランと誓っているのだから、減ったのならば質と言わんばかりにフランとの時間を濃密なものにしていたつもりだった。
だが、やはり姉妹だからフランとお嬢様は似ている。容姿が重なり、私の中にある何かがおかしくなっていく様な感覚があった。
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