87: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 19:29:57.06 ID:x2ueaAjJo
「この魔法、あとどれくらい持つのかしら?」
「たっぷり十分は、大丈夫のはずだよ」
ほむらは驚嘆する。が、それと同時にある種の納得も覚える。
恐らくキリカは魔法を展開することに対しては強い適性があるのだろう。
何時かのときもそうだった。
見滝原中の校舎を丸ごとひとつ魔女の結界にしまい込んでいた。
あの時は結界が広いタイプの魔女だと思ったのだが、こうして彼女の魔法の使い方を見み、戦い方を知るとわかる。
広い結界を持つ魔女というわけではなく、もともとの結界を魔法少女、呉キリカの力が引き伸ばしていたのだと。
「私には攻めに転じられるリソースがもうない。だから、あなたが魔女の注意を引き付けて。
けれど、無理に戦う必要はないわ。まぁ、あなたのかけた魔法のおかげで逃げることも倒すことも、使い魔程度なら苦にならないけど」
「魔女本体には依然、注意がいるわけだ」
「えぇ、速度は落ちているとはいえ当たれば致命傷は必至、
意識の隙間を掻い潜ってきたりはしないでしょうけれど、注意は怠らないで」
「拾った命だ、意地でも織莉子に会いに行くさ」
象を翻弄するために蟻ができることは存外と多いということを証明するために、超至近距離での鬼ごっこが開始された。
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