60: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:36:14.87 ID:vS3sFlv70
勇者(あの魔女の所に顔を出してから結構経ったな…)
勇者(そろそろ、薬は出来ているだろうか…?)
勇者(重圧に弱そうな魔女だから、あまり頻繁に行かないようにしていたが)
61: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:36:46.35 ID:vS3sFlv70
魔女「これを、こうして…」
薬に必要な素材を調合する所まではできた。決して出来がいいとは言えないが、ここまでは失敗せずに来た。
不死者「…ぐぅ」
62: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:37:34.11 ID:vS3sFlv70
魔女「むにゃむにゃ…」
「おーい…」トントン
魔女「ん〜?」
63: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:38:11.56 ID:vS3sFlv70
勇者「朝早くにすまない」
魔女(あ…いつの間にか寝ちゃってて、朝になってたんだ)フワァ
勇者「薬調合の進行具合が気になってな」
64: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:39:05.87 ID:vS3sFlv70
勇者「これが浄化の薬か…」
勇者さんは小瓶を手に持って、感慨深そうに言った。
魔女「でも、本当に失敗してないかまだわからないので、いきなり使うのは危険ですよ」
65: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:39:48.68 ID:vS3sFlv70
不死者「おはよう」
勇者「な…お前、何でここに!?まさか、魔女と手を組んで…」
不死者「いや違う。俺も死にたくなったんで、その魔女に浄化の薬を依頼してたんだよ。丁度いいじゃねぇか、俺で実験しな」
66: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:41:11.76 ID:vS3sFlv70
どうしよう、話がどんどん進んでいるけれど…。
だけど双方合意の上なら、私が止める余地なんてない。
不死者「とりあえず、ひと思いに心臓でも狙って…」
67: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:48:38.11 ID:vS3sFlv70
魔女(どうしてこんな事になっちゃったの…)
私の予定と大分ずれてしまった。
薬が成功していたら、勇者さんに渡すつもりだった。
それで勇者さんが魔王を討てば、不死者さんも死ぬことができる。
68: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:49:09.77 ID:vS3sFlv70
勇者「恋人は魔王討伐の為、一緒に旅していた仲間でもあった。あの頃、今よりずっと弱かった俺はそいつに負け、あいつは殺されちまった!」
魔女「そんな…」
魔王と討伐する者と、魔王に従う者。敵対する者同士、殺し合うのは必然。
69: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:49:41.99 ID:vS3sFlv70
こういうシチュエーション、本ではどういう結末になったっけ――?
何を考えているのか。
だけど混乱した思考の中、私はそんな事を考えていた。
70: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:50:32.45 ID:vS3sFlv70
不死者さんは両手両足を失い、血を大量に吹き出しながらも生きていた。
魔女「も、もう――」
71: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:51:49.31 ID:vS3sFlv70
――――
――
「おにぃ」
72: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:52:29.87 ID:vS3sFlv70
・
・
・
子供「魔女さん、こんにちはーっ」
73: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:53:12.36 ID:vS3sFlv70
本を読み進めながら、思い出す。彼が教えてくれた物語を。
魔女(残されなければ幸せだったのかな――)
あの頃と違い、今は孤独じゃない。
74: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 20:59:52.41 ID:vS3sFlv70
猫「にゃー」
魔女「あら猫さん?」
私は小さな訪問者を抱き上げた。
75: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 21:00:54.21 ID:vS3sFlv70
魔女に輪廻転生はあるけれど、人間はどうなのか――
魔女「…ねぇ、覚えてる?」
猫「にゃー?」
76: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 21:02:28.83 ID:vS3sFlv70
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
恋愛中心にすると宣言したのに恋愛色が弱くなった…。
まぁこのエンドなら、2人の距離感はこの程度で丁度良かったかなーって思います。作者は。
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/16(火) 21:12:11.80 ID:/+fOaNzlO
いい塩梅と思う
ありがとう
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/16(火) 21:14:12.68 ID:/soHtjNw0
乙
79: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/12/16(火) 21:16:59.15 ID:vS3sFlv70
>>73
×人間の敵と死んだ彼
○人間の敵として死んだ彼
早速コメントありがとうございま〜す、救われました!
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/16(火) 22:24:33.17 ID:H3+I6GLdO
乙
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