7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 03:43:04.65 ID:tchFiF3mo
だから私はその光景をなにかにたとえようとした。
いまここで私に起きていることを美しそうな言葉で切り取ろうとした。
ずっとやってきたように、
なんなら新しい歌詞のこやしに。
そうすることで、
私のなかのいろいろが切り離せる、
きれいな部分だけ残してあとは忘れてしまえる、今までだってそうだった。
比喩ってそういうものだ。
マシュマロやハチミツに託してしまえば、
身体の重さや手の汗なんて忘れてしまえる。
それはこう、
とかげがしっぽを切り捨てるようなものだ。
具体的なものなんてぜんぶ邪魔だった、
ふわふわした世界に心だけでも溶かしてしまいたかった。
でも、そんなとき、言葉はやってこない。
名前を付けられないまま膨れ上がった怪物が、私の内側から食い破っていく。
おなかを抱えるようにしてうずくまる。
本当に痛み出したみたいだ。
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