118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 08:05:26.96 ID:DL0z8tZuo
嘘でもいいじゃない。忍ちゃんは嗚咽混じりにそう言った。
「アタシ、まゆちゃんに辞めてほしくない」
「どうして……私……」
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2014/12/20(土) 08:06:03.92 ID:DL0z8tZuo
――――
久しぶりの撮影の仕事だった。
目的のチャペルへ向かう間、プロデューサーさんの運転する車ではポリスがかかっていた。
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2014/12/20(土) 08:06:29.88 ID:DL0z8tZuo
「……お相手は、どんな方ですか」
「明るくって、話し好きのおてんばって感じかな」
「へぇ……」
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2014/12/20(土) 08:07:08.82 ID:DL0z8tZuo
――――
ようやく着付けを終えると、私は裾を気にしつつ聖堂を歩いた。
窓から差し込む光が、影と混ざり合って床を青く染めている。
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2014/12/20(土) 08:07:36.12 ID:DL0z8tZuo
廊下の方から、パタパタと足音が近づいてきた。
「まゆ、もう少し待ってるようにってさ……」
彼は聖堂へ入ると案の定、申し訳なさそうな表情を浮かべた。
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2014/12/20(土) 08:08:20.15 ID:DL0z8tZuo
「誓ってくれますか」
青い床へ、浮雲のように花びらが横たわっていた。
「ずっと、佐久間まゆのプロデューサーでいてくれますか」
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2014/12/20(土) 08:08:51.47 ID:DL0z8tZuo
「永遠に……」
永遠。なんて儚い言葉だろう。
貴方が誓ってくれるなら、私は佐久間まゆで在り続ける。
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2014/12/20(土) 08:10:14.68 ID:DL0z8tZuo
「……僕は、先に行っているよ」
彼は踵を返して聖堂を出て行ってしまった。
微かに吹き込んだ風が床の花びらを攫い、純白のドレスを揺らして、消えた。
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2014/12/20(土) 08:10:56.97 ID:DL0z8tZuo
花は、はらはらと落ちて行った。
焦がれた時間が散って行くように。
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2014/12/20(土) 08:12:57.07 ID:DL0z8tZuo
以上、拙い文章でありましたが、読んでいただきありがとうございました。
劇中で登場させた(つもりの)曲は以下の通りです。
Queen - Now I'm Here
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