67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/20(土) 07:34:08.57 ID:DL0z8tZuo
「編み物は?」
プロデューサーさんは傍に置いた赤いマフラーを指差した。
「工藤さんも、喜ぶと思うよ」
「でも、すぐ春になるから……」
「それもそうか」
うーん、とプロデューサーさんは唸った。
「僕の同級生が誕生日のときはCDあげて、それで結構喜んでもらえたけど」
「CDですか」
「例えばクイーンだったら、工藤さんの持ってないアルバムとか、DVDとか」
「喜んでもらえるでしょうか」
「ま、一つの参考として……でも、気持ちだよ、気持ち」
「……忍ちゃんにはすごくお世話になっているので、この機会にちゃんとお礼したくって」
「お世話ね……」
ふと見ると、プロデューサーさんの横顔は影絵のように沈んでいた。
冷たい夜が私たちを覆って、建物の窓から窓へ時間が流れ、
水底のような道路へ車が目を光らせていた。
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