2:名無しNIPPER[sage saga]
2014/12/21(日) 21:24:56.29 ID:uvLHgNzk0
小雨より尚、少ないと謂った処だろうか。気にならない程ではないが、傘をさす程でもない。いずれも本降りになるには、まだまだ時間がかかるだろう。
帰りの駅までは––––。
と、考えた処で––––やはり私は少々理屈っぽいのかな、と先ほどの久の言葉が頭を過った。
私と久は、部長会議と評して風越女子へと集合した。最も、部長は蒲原なのだが何故か何時も私が行くはめになる。更に言うと、私も蒲原もすでに引退していて、本当は睦月が新部長なのだが––––まぁ、愚痴を云っても何も変わらないか。
会議も順調に進み、切りの良い処でお開きとなった。
その後は、それぞれ帰路に着くことにした。陽も落ちるのも早くなったという事で、そのまま何もせず解散、ということになったのだ。私と久は、その時、帰る道が途中まで同じだということで、一緒に帰ることにした。福路は歩いて帰れる距離だし、龍門渕は迎えの車が用意してあるとのことで、私と久だけが此処まで電車に乗って来たのだ。それでも、駅に着けば乗る電車はそれぞれ別である。
だから、私と久は今二人きりと言うことになる。
ただ、久は。
二人きりになった途端、何時もの飄々とした態度を一変させ、なんだか少し表情を強張らせ始めたのだった。緊張––––は、無いだろう。多分。
思えば、二人きりになったのなんて、夏の合宿以来である。
だから––––でもあるのか、少し意識してしまう自分がいた。
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