33: ◆Ew3/imucfM[saga]
2014/12/23(火) 22:49:36.77 ID:z1a1sj8o0
「ん…あれっ」
「どうかしました?」
「少し弦が千切れてる… あーあ、どうしよう このままじゃ痛い目見ちゃう…」
「私のをあげましょうか?」
「えっ、いいんですか?」
「ええ、つい最近弓を変えたので、前のものを使わなくなったんです あ、壊れてませんよ?」
後ろにある赤城さんの弓袋から、一本弓が出てきた
「どうぞ、使いにくかったらすいません」
その弓を持った時、何か重みを感じた
重さとかじゃないなにか、責任のような…
その弦を引いてみると、とてもしっくりくる。重量も自分のもののように丁度いい
「凄い…」
「 何か凄い所ありますか?」
「いや、なんだかとてもしっくりくるので思わず… いいんですか?貰って」
「いいですよ 実はその弓、私がここに来てから持った初めての弓なんです」
「えっ… 恐れ多いです…」
「何も変わりませんよ、ただの木の棒と紐ですよ?」
と、冗談交じりに言われた
そのただの木の棒と紐なのに、ここまで違うんだなあ…
実際に射ってみると、これもまたいい
あまり力を入れなくても、弦が矢を弾くように、飛んで行く
そんな気がした
「赤城さん…」
「はい?」
「ほんとにこの弓いいんですか?」
「なんだか変ですよ、瑞鶴さん」
「いやあ、どうしても気になって」
「いいですって 大丈夫ですよ、返してなんて言いません」
なんだかむずむずした
いままでずっと欲しかったものを貰ったような気分だ
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