過去ログ - 安部菜々「嘘つきうさぎとスーツのサンタさん」
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1: ◆0vdZGajKfqPb
2014/12/24(水) 02:21:29.16 ID:7/nSv71so
彼と運命の出会いをして。
夢想家の女の子は、アイドルになって。

頑張りすぎて、倒れてしまったり。
若い子の力に、圧倒されそうになったり。

落ち込んだりもしたけれど、アイドルを辞めることなんてできなくて。
トップアイドルに、また一歩近づいて。

三周年のライブも大成功に終わり、ちょっと嬉し涙もこぼれたパーティーも終わって。

そんな、三度目の冬のおはなし。

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2: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:28:14.68 ID:7/nSv71so
電車から降りて改札を出ると、屋内との温度差で思わず体が震えた。

時刻は夕刻。
大通りではミニスカサンタやメイド服を着た女の子が客引きをしていて、なんだか懐かしい気持ちになる。
この時期はかきいれ時な上に休みたがる子が多くて、店長が毎年頭を悩ませていたっけ。
以下略



3: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:32:05.65 ID:7/nSv71so
「ちひろさん、年末ってお休みありますか?」

「ありますけど……菜々さんのオフと合わせるのは、ちょっと難しいと思いますよ?」

私の考えを見透かしてか、ちひろさんは先回りして質問に答える。
以下略



4: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:38:08.59 ID:7/nSv71so
「せっかくですし、プロデューサーさんと遊びに行けばいいじゃないですか」

「ええっ!?」

「プロデューサーさんなら菜々さんの担当ですし、オフも合わせられるじゃないですか。彼女もいないみたいですし」
以下略



5: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:45:35.76 ID:7/nSv71so
「ほら、ナナはアイドルですし。この時期に男の人と二人っきりは、やっぱりあんまりよくないかなって……」

私が幼い頃と比べて、業界全体はその辺りの問題に寛容になってはいるし。
他のアイドルに、価値観を押し付けるつもりはないけど。

以下略



6: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:49:25.85 ID:7/nSv71so
「よかったらこれ、使ってください。まずは疲れをとって、落ち着いて考えましょう」

手渡されたのは、青色の缶のエナドリだ。新商品……だろうか。

「はあ……ありがとうございます、いただきますね」
以下略



7: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:50:39.69 ID:7/nSv71so
「今からしばらくの間、菜々さんはアイドルでもウサミン星人でもなく、普通の女の子です」

「は、はあ」

「普通の女の子な菜々さんは、気になる男の人をクリスマスデートに誘っても問題ありませんね?」
以下略



8: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:54:19.35 ID:7/nSv71so
「プロデューサーさん、コーヒーどうぞ」

仕事中のスタッフさん達のデスクを周り、ちひろさんとアイコンタクトをして、最後にプロデューサーさんの机に。

「助かる。悪いな、アイドルにこんなことさせて」
以下略



9: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 02:58:52.73 ID:7/nSv71so
「この季節、ナナはあんまりいい思い出ないんですよ……」

「お、おう。そうか」

プロデューサーさんはこちらを見ず、愛用のマグカップに口をつける。
以下略



10: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 03:04:02.20 ID:7/nSv71so
「いやいやいや、大事なんですよ! 寒いとですね、いっぱい着こまないといけないんです! お腹とか!」

「まあ……確かにな。体調崩されても困るし」

……美穂ちゃんや美嘉ちゃんが先日、肩やら背中やら露出したドレスを着ていたのは内緒にしておこう。私の名誉のために。
以下略



11: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 03:07:05.66 ID:7/nSv71so
「ふふっ。私も好きですけどね、ウサミミコート着た菜々さん」

自然に会話に混ざってきたちひろさんは、ニコニコと笑っていて。
さっさと本題に入れ、と私に向けてオーラを放っていた。
分かってますよ……と、目だけで答える。
以下略



12: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 03:10:37.77 ID:7/nSv71so
「憧れなんですよぅ……ナナだって、クリスマスの街並みをウサミン星から望遠鏡で眺めるだけじゃ、満足できないんですよぅ……」

「まあ、独り身のクリスマスのつらさは俺も知ってるけどな……」

心の中で、深呼吸。
以下略



13: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 03:13:03.50 ID:7/nSv71so
「あー……菜々?」

「は、はい?」

しばらくの沈黙の後、少し冷めただろうコーヒーを一口飲んで、彼は口を開いた。
以下略



14: ◆0vdZGajKfqPb[sage]
2014/12/24(水) 03:18:19.57 ID:7/nSv71so
続きは今夜にでも


15:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 03:32:04.60 ID:hjiQ3Nvro
期待している


16:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 08:01:28.06 ID:cr+VvHKd0
いいぞいいぞ。楽しみだ


17:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 08:10:17.01 ID:l/+ZDJNhO
かわいいなぁ!かわいいなぁ!


18:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 08:35:22.09 ID:k65xfOTX0
よかったまともなPで鬼畜ホモならイブなの予定無いのかよとか言いそう


19:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 12:32:20.66 ID:J8HxWL7kO
よいぞよいぞー


20:名無しNIPPER[sage]
2014/12/24(水) 21:03:50.16 ID:yhk2OatVo
これはよいものですね


21: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2014/12/24(水) 23:44:57.24 ID:7/nSv71so
それから当日までは、まさしくDo-Daiの歌詞のようだった。
……いや、告られてはいないし、恋バナでもなんでもない、けど。

頼んでもいないのに、私のチャームポイントをメールで送ってきたちひろさん。
ファッションの相談に乗ってくれた楓さんや川島さん。
以下略



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