1: ◆LY9F0R2Cf.[saga]
2014/12/26(金) 00:12:27.27 ID:qOgPQWjp0
モバマスSSです。
突発的に書きたくなったので投稿します。
ナナにとって、クリスマスは特別なものという認識は既にありませんでした。
今はアイドル業に忙しく、クリスマスを個人的に楽しんだなんていられません。
最近仕事が多かった中、今日は珍しく打ち合わせだけということで、午前中にプロデューサーと次の仕事の内容の認識合わせをしたところでした。
終わってすぐに、自席でプロデューサーはうんうんと唸り始めました。
「……うーん」
「どうしたんですか?」
「あ、菜々さん。いやー、急に先方から今日予定の合いている子はいないか打診があって」
どうやら予定していた子が急遽出れなくなってしまったらしく、埋め合わせに誰かいないかと依頼を受けたところらしいです。
そこはいつも懇意にしているところであり、先方を助けてあげたいと思っているらしいのですが、
「生憎と、今日だけはみんな都合が着かないんですよ」
「えっと、失礼しますね……うわ、ホントですね」
ディスプレイを覗かせてもらうと、そこにはこの事務所のアイドルの一日の予定が並んでいました。
確かに全アイドル、予定が埋まっていました。
正確には仕事の予定で埋まっているわけではありません。休み、と書かれた枠が大半を占めています。
ーー今日はクリスマス。アイドルなみなさんも、今日くらいは一人の女の子として……ということで、プロデューサーさんが四苦八苦しながら調整した結果でした。
ナナはそれを後ろから見ていたことがあったので知っていますよ。
「こっちで休めって言って休んでもらってるのに、いざ出てくれなんて言えないんですよね」
「……他の人も今日は一日外せない仕事ばかりですね」
仕方ありませんか。だって今日はクリスマス。サービス業とかは稼ぎ時です。
アイドルという華を利用して客引きするなんて典型的なことはどこだって考えようというものです。
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2:名無しNIPPER[sage]
2014/12/26(金) 00:13:34.06 ID:i6m4l0cx0
菜々さんのSSにはハズレが無い気がする
期待
3: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:14:47.19 ID:qOgPQWjp0
「……どうするかなぁ」
背中を向け悩むプロデューサーに、ナナはとんとんと肩をたたきます。
ナナの名前を呼びながら彼は振り向きます。もう、そんな顔をしないでください。
4: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:18:55.50 ID:qOgPQWjp0
――それでも、やっぱりちょっとくらい後悔するのはナナもでして。
「あーあ、プロデューサーさんにはクリスマスに予定がないこと、バレちゃいましたかねぇ」
見栄を張っているわけでもなかったので別にいいっちゃいいんですけど。
5: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:27:11.59 ID:qOgPQWjp0
「長引いちゃってすみません。今日はこの後も用があるでしょう?」
「――ああ、そういうことですか」
みなさんも、他の人と一緒でこの後イベントがあるんですね。
お疲れさまです。一人、また一人一日限りの華やかな現実へ戻っていく。
6: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:30:02.93 ID:qOgPQWjp0
「あれ、安倍さん? 先にあがったんじゃ」
「あー、いや。そのですね」
建物を出てすぐのところで立ち止まっていたせいか、まだ中で片付けしていたはずのスタッフさんが姿を見せ始めました。
7: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:35:08.52 ID:qOgPQWjp0
「菜々さん!」
「ふぇ?」
ちょうど歩き出した時でした。背中にかけられた声は聞き間違えようがない、あの人の声。
振り返ると、手を膝について肩で息をしているプロデューサーの姿、
8: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:38:59.41 ID:qOgPQWjp0
「うわ、もう12時過ぎてる……」
「仕事終わるのも遅かったですしね」
気兼ねなくゆっくりできるところは、それでも電車を乗り継いでの事務所が一番近かったのでした。
誰もいない事務所ってこんなに静かだったんですね。それに……寒い。
9: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:41:51.73 ID:qOgPQWjp0
「事務所なんでアルコールは我慢してください」
「プロデューサーさん、ナナは17歳……」
「……メリークリスマス!」
10: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:44:50.25 ID:qOgPQWjp0
「くしゅんっ」
「……っと。寒いですか?」
「ん、暖房がまだちょっと弱いかもですね」
「……ちょっと待っていてください」
11: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:48:01.88 ID:qOgPQWjp0
今日も寒い中、朝早くから出社です。
事務員の朝は早いのです。夜のうちにたまった事務処理がたんまりとあるはずなので。
事務所に着いて、早速鍵を差し込んでひねるのですが、
「空いてる……?」
12: ◆LY9F0R2Cf.[sage saga]
2014/12/26(金) 00:50:38.56 ID:qOgPQWjp0
短いですが、これでおしまいになります。
お読みいただきありがとうございました。
イベント的なお話もいいですが、私はこんな起伏の少ないお話が好きなので、
ご希望と沿わなかったなら申し訳ございません。
13:名無しNIPPER[sage]
2014/12/26(金) 01:09:53.58 ID:DB8ZmBP+o
おっつおつ。好物です。
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