34: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2015/01/01(木) 22:40:20.90 ID:43R1FdOh0
「お前が柄にもない真似するから、こっちまで面倒事に関わる羽目になっちまったじゃねえか」
喫茶店を出て上条が向かった先は公衆電話。
あの怪人と出会い、赤いテレフォンカードを手にした場所だ。
先日の奇天烈な体験から少し腰が引き気味になる上条だったが、上条は電話ボックスの中へと足を踏み入れる。
そして財布から赤いテレフォンカードを取り出した。
「測定器に掛かった金はしっかり払ってもらうぞ」
取り出したテレフォンカードを差し込み口に入れると、カードはそのままスルスルと公衆電話の中に吸い込まれていく。
何で親しくもない人間のためにこんなアホらしいことを試しているのか?
上条は自問自答を繰り返すが、全て美琴がつまらない嘘を吐いたのが悪いと結論付ける。
あの時に上条と美琴が出ったのは全くの偶然で、その時点で上条は赤いテレフォンカードについて何も知らなかった。
だから何も知らない上条が話を真に受けて、もし赤いテレフォンカードを見つけてもそのまま破棄することを美琴は期待したのだ。
ネットでは赤いテレフォンカードの噂が飛び交っているし、そこに人体に悪影響を与えるという情報など一つもない。
美琴の吐いた嘘は少し調べればすぐに分かる、正直お粗末なものだった。
それでも美琴がそんなお粗末な嘘を吐かなければならなかった理由。
それは端末の履歴などを消して白井達を巻き込むまいとしていたのと同様に、美琴が上条のことも赤いテレフォンカードに関わらないよう配慮した為だった。
嘘の中身が吟味されたものでないのは二人が出会ったのが偶然で、恐らくその場の出まかせだったからだろう。
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