5: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2014/12/27(土) 07:25:54.71 ID:HSj1W9VK0
「結局本命には辿り着けなかったし、ホント時間を無駄にしちゃった」
「本命?」
「……アンタには関係ない話よ。 でもこうやってアンタに会えたのはラッキーだったかもね」
そこに気になる男の子に会えて嬉しい、などというラブコメみたいな含みは全く存在しない。
バチン、と青白い火花の音が響いた。
肩まである少女の茶髪の髪が風で揺れる度に、まるで髪自体が電極であるかのようにバチバチと火花を散らしている。
『超電磁砲』――学園都市でも数多くいる発電能力者の頂点に立つ最強の電撃使い《エレクトロマスター》
レベル5の一角を成す彼女の力は一人で軍隊と戦えると言われるほどだ。
そんな少女から向けられる敵意とも取れる感情が、チリチリと肌を焦がすように上条を強張らせる。
「やっぱりこうなるのかよ? ったく、少しお前のことも心配した俺が馬鹿みたいじゃねぇか」
「はぁ!? 何で私がアンタに心配されなきゃなんないのよ?」
「……お前、身体の何処か痛めてるだろ?」
「え?」
「何て言うか、動きがぎこちないっていうかな? ファミレスで見かけた時から少し違和感があったんだよ」
もちろんレベル5の少女が少しくらい身体を痛めていようと、無能力者≪レベル0≫の不良達を相手に後れを取るとは思えない。
上条が助けようと思っていたのも無謀にもこの少女に絡んでいた不良達がメインで、心配の度合いもせいぜい不良9少女1といった割合くらいだった。
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