56: ◆IWuyJvzLOZKF[saga]
2015/01/25(日) 09:53:36.75 ID:D6PZ2FqV0
死を完全に覚悟したとは言えない。
だが笑えるくらいここまで男の言葉通りに事は進んでいる。
それならば上条が何もせずとも、美琴が無事に帰ってくる可能性があるという話も本当なのかもしれない。
まだ何の確証もない可能性の話に縋るのは難だが、今はそれだけが上条にとって救いになっていた。
ジュルルル、ギィ
今度は足止めの為ではない。
止めを刺すために化け物が上条の急所に向かって大顎を突き刺そうとしたその瞬間、
バチィバリバリバリィ
何処か聞き覚えのあるスパーク音が聞こえたかと思うと、上条の上にドシリと重い物体が圧し掛かってきた。
「今の出力じゃ完全に倒しきれないから、コイツが伸びてる間に早くこっちに……って何でアンタがここにいるのっ!?」
この状態から救い出されるのまで、先ほどと非常に良く似ていた。
ただし上条を救い出したのはヒーロー気取りの偽善者などではない。
(これじゃあ測定器の代金を請求するなんて図々しい真似はできないな)
上条は思わず苦笑いを浮かべた。
そして見知ったその恩人に片手を上げて軽く挨拶をする。
「よぉ」
「どうなってんのよもう!」
驚いているのか、呆れているのか?
何とも言えない表情を浮かべた美琴が上条の目の前に佇んでいた。
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