過去ログ - 奉太郎「守りたいもの」
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3: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/12/27(土) 17:04:33.42 ID:bTDiL5Hz0

「失礼な。俺だってそれくらい気にする」

「やらなくてもいいことはやらない、だろ?」

「さすがに気持ちを斟酌するのはやらなきゃいけないことだ」

 里志は笑った。お決まりのこいつのジョークなのだ。

「うんうん、安心したよ。いくらホータローでもねぇ」

 口元をマフラーで隠した里志のそれを引っ張ってやる。変わらずに笑みを浮かべながら、「やれやれ」と呟いた。
 稜線の向こうに消えかかっている夕日は僅かながらに光を残している。橙色の光がゆらゆらと校舎を包む中、吹奏楽団の演奏に背中を押されるように、俺たちは玄関へとたどり着く。

 伊原は図書委員の当番、千反田は買い物に行くということで、今日の古典部の活動は野郎二人のみで行われた。というか、行われなかった、という表現が正しい。
 千反田は休みだそうだ。摩耶花は図書当番だってさ。帰るか。そうだね。この素晴らしい意思の疎通によって、俺たちは素早く学校を後にすることができたのである。



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