99: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:23:35.74 ID:dm/Enhbf0
オーク「そう思うと竜爺も同じくらいだな。大した時間は一緒にいない」
天使「オークさんはどうして魔王様についたのですか?」
オーク「ん、あぁ……なんつーか俺もまだまだ青いというか」
100: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:24:47.46 ID:dm/Enhbf0
オーク「山賊って言っても、相手は違法な手段で商売しているような奴や悪どい冒険者くらいしか襲ってなかったけどな。まぁそれが免罪符になるかと聞かれたらそうとは言えんのだが」
天使「そうですね、いくら生きる為といっても誰かを犠牲にすることはよい事とは言えません」
オーク「まぁな……だが、死ぬのを待つよりは俺は戦う事を選んだ。そこで出会ったのがあの二人だ。丁度冒険者を襲っているときに出くわしてな」
101: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:25:18.13 ID:dm/Enhbf0
オーク「目を覚ました時には魔王に物凄く謝られたな。こっちは山賊なんだ、そんな謝る必要無いってのにな」
オーク「んで、二人は丁度資金稼ぎの為に冒険者ギルドから指名手配されている賞金首を狩りまくってったって話だったんだが、これがまた凄くてな」
オーク「数日で登録されていた賞金首を全員とっ捕まえやがって、完全に英雄扱いだったな」
102: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:25:59.66 ID:dm/Enhbf0
オーク「本当は俺みたいな山賊も捕まった以上は刑罰を受けなきゃいけなかったんだが、二人が口を利いてくれてすぐに釈放。集落の連中も、賞金の一部で村に移り住むことが出来たんだ」
天使「そんなにしてくれたのですか?」
オーク「ああ、お人好しと言うか何というか……魔王と話している内に俺がアイツと共感して、そんでアイツがその好だってポンと金を出してくれたんだ。勿論側近には嫌味を言われまくったけどな」
103: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:26:35.94 ID:dm/Enhbf0
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104: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:27:05.45 ID:dm/Enhbf0
側近「土地の譲渡の拒否と契約の破棄……といったところでしょうか」
天使「契約?と、言いますと」
側近「そこは順を追って説明しましょう」
105: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:27:41.97 ID:dm/Enhbf0
側近「竜爺様が現役を引退なさるときに、信用出来る数十名に非常に多くの、それもどの国にも属さない土地を"貸し与えました"」
オーク「貸しただけ、か」
側近「契約内容としては。"領地を治める者は、民を蔑ろにするべからず。共存関係の上で成り立つ事、これを忘れるべからず"、"争いによる領地侵略行為を互いに防ぐため、その土地により新たな国を作ることを禁ず。決して他の者から土地を奪う事を許さない"」
106: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:28:38.91 ID:dm/Enhbf0
側近「こちらとしてはなるだけ穏便に済ませるという魔王の意向で、今の生活は出来なくなる代わりに不自由はしないという条件を出したのですが」
魔王「あろうことか、契約書を突きつけても彼らは知らないと頑なに認めやしない。彼らも対応する同じ書を持っているハズなのに」
側近「この契約が履行されていなければ彼らに得は無いのに。古い者にそんな権限はないなどと、まったくほとほと呆れますね」
107: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:29:21.16 ID:dm/Enhbf0
側近「こちらで手引きして早めに破滅させる事も出来るけれど……そうすれば権利が正式に"何も言わない"竜爺様に戻るハズだから、こちらも手に入れやすくなるけれど」
魔王「それではダメだ。その間に町への徴収が酷くなる。迅速に乗っ取る方向で行く」
側近「ふーん……"乗っ取る"んだ」
108: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:29:49.86 ID:dm/Enhbf0
魔王「今日はもう早めに眠ろう。明日の朝には出発しなきゃいけない」
天使「え?もうここを出るのですか?話し合いは……」
魔王「長丁場になることは見越していたんだ。竜爺にも言われたしね」
109: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2014/12/31(水) 22:30:16.81 ID:dm/Enhbf0
側近「天使さん、早く部屋に戻りますよ。それとも、魔王に添い寝でもする気ですか」
天使「ちょっ!?え!?」
側近「冗談ですよ。真に受けないでください」
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