過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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148:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 18:58:28.33 ID:t8V4LTxho
俺が視線を向けると、妹は、ばつが悪そうに視線を逸らした。

「あの、わたしも、キョンくんたちの力になりたいなって……今、ハルにゃんの力で、すごく困ってるっていうから……」

目を合わせないまま、そう言う妹。

「あのな、しかし、お前は……」

「それに、わたしだって、影時間から出たい……早く元の世界に戻って、みんなに会いたい」

そこまで言った後、妹は、俺と視線を合わせ、

「コロちゃんだって、乾くんだって、みんなのために戦ってるのに、わたしだけ、何もできないのは……やだよ」

と、いつもより低い声で、そう言った。
……そうか。思えば、こいつは、俺がこのタルタロスに捕らわれてしまったことが原因で、巻き込まれてしまったんだったな。

「……未熟な俺が言うのもなんだが、戦うのは、辛いぞ。痛いし、疲れるぞ」

「うん、しってる……それでもだよ」

「……そうか」

俺は今まで、相当身勝手な兄貴だったのかもしれない。

俺が守ろうとしていたのは、俺が勝手に思い浮かべた、か弱い妹という、偶像だった。
妹自身が何を思っているのかなど考えず、一方的に、助けるだの、守るだの……
これじゃ、俺は子どもだ。天田や妹よりも、ずっと。
妹を戦いに迎えるのには、俺にとって、正直、かなり勇気がいることだ。
だけど、妹は……俺が出そうか出すまいかとしている勇気より、ずっと大きな勇気を、幼い胸の中に芽生えさせていたのだ。


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