過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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2:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 18:01:23.39 ID:gIGEqEoto

突然だが。皆さんは、宿題用のノートと自分の身の安全、どちらがより大切だろうか?

おそらく、世の中の誰もが、こんな質問を提示するやつの精神構造を訝しむことだろう。
自分の身を危険に晒してまで、宿題のノートの確保に走るなんてやつが居るわけもない。
逆に言えば、一度宿題を忘れ、少しばかり内申に影響が出る程度のことで、自分の身の安全を確保できるというなら、誰もがそちらを選択するだろう。
そう、それがまともな考え方だ。まともな環境で育ち、まともな経験を積んできた、全うな精神から生まれる考え。
誰だってそうする。もちろん、俺もそんな思考の持ち主だ。

だった、はずなのだ。
しかし、そんなまともな思考回路を狂わせるほどの出来事というのは、案外簡単に、また、突然やってくる。
そう。俺の思考回路は、いつのまにか、まともと呼ぶにふさわしいものではなくなってしまいつつあったのだ。
どうだ、そろそろ『まとも』がゲシュタルト崩壊してきた頃だろう。

「ノートなんざ、放っておきゃ良かったんだ」

荒く息を吐きながら、俺は誰にともなく呟いた。
冷たい大気をかき分けるようにして、どこへ続くかもわからない薄暗い廊下をひたすら駆ける。
突き当たりを右折すると、目の前に、上階へと続くらしい階段が現れた。
他に道はない。冷や汗を拭いながら、俺は二段飛ばしで、それを登り始める。
背後から迫り来る気配は、一向に消えはしない。

慢心だった。
俺は、ここ一年強で、いくつかの……いくつもの超常現象を目の当たりにし、経験してきた。
その薄っぺらな経験から、今回のこの異常現象を、大して危険なものではないだろうと、甘くとらえてしまったのだ。
その結果が、これだ。

七月中旬、真夏の深夜。
俺は命の危険に晒されていた。
宿題のノートを忘れたことが原因で。


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