過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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202:名無しNIPPER[saga]
2015/01/01(木) 20:44:02.96 ID:t8V4LTxho
一見すると、そいつは俺の記憶の中のそいつと、なんら変わりない姿で、俺たちの前に立っていた。冷たい口元も、どこか眠たそうな瞳も、俺にとっては見慣れた、そいつの当たり前の表情だ。
しかし、違う。そこにいるのは、俺の知るそいつではない。
そいつの中に、俺の知らない何かが入っている。

「有希ちゃん?」

沈黙で張り詰めた空間に、火のついたマッチを投げ込むように、妹がその名前を口にする。長門は、誰も存在しない空間を見つめながら

「エラー」

と、もう一言呟いた。
それは、長門の理性が発している、俺たちへのメッセージなのだろうか。

「……長門、何が起きてるんだ」

俺は、目の前の冷たい表情の内側に、ほんの少しでも、俺の知る長門の要素が残っていることを信じ、その小さな体躯に向けて、訊ね掛けた。
その声でようやく、長門の瞳が、俺の視線と重なる。

「……私の中に、ある、要素、イレギュラー」

覚えたての日本語を持て余した、異国人のような口調で、長門が言葉をつむぐ。

「思考、それ、奪い、シャドウ、涼宮ハルヒの、力、鍵、貴方、倒させ」

でたらめに散らばった、パズルのピースのような言葉たちが、俺たちの元へ転がり込んでくる。バラバラなその単語の連なりから、辛うじて、一つの事実が読み取れる。
やはり、あの満月のシャドウを倒すことは、俺たちにとって正しい道ではなかったのだ。しかし、それを倒させるように仕向けたのは……

「……『あなた』だったのね、私たちを、騙してくれたのは」

朝倉が、膨れ上がる怒りを滾らせながら、目の前に立つ、そいつに向けて、声を投げかけた。


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