過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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名無しNIPPER
[saga]
2014/12/31(水) 18:36:50.32 ID:gIGEqEoto
―――我は汝、汝は我……
頭の中で、声が響く……心が落ち着く声色だ。
―――我は汝の心の海より出でし物……
それは、俺自身から沸き上がってくる声だった。
―――神曲の綴り手、ダンテなり……!
前方に向けて手を伸ばすと、俺の腕に重なるようにして、視界の中に、赤い肌の男の腕が現れた。
それを見た化物は、全身を戦慄かせながら、俺に向けて飛び掛ってきた。いつのまにか、ヘドロのような姿をしていた足部分までもが、腕の塊となり、歩行や跳躍を会得しているようだった。
迫り来る無数のナイフ。―――大丈夫だ。心中で首をもたげようとした恐怖を押し込める。
俺は……戦うのだ。生き残るために。
こちらの武器は、背中にある。その事実を、俺は既に理解していた。
ダンテの右腕が、背中に携えた柄モノ……人の背丈ほどもある、巨大な羽ペンを握り締め、振り払う。
すると、ペン先が辿った空間に光の帯が発生し、空中の化物の体を一閃、切り裂いた。
切り払われた化物は、階段を転げ落ち、踊り場の壁に、頭から(どこが頭だ?)突っ込んだ。ボトボトと音を立て、化物の持っていたバタフライナイフが地に落ち、黒い霧へと変わってゆく。
しかし、ダメージは、言わばタコの足部分にしか達していないようだ。すぐに再び、腕によって構成された体をざわつかせ、こちらに向かって這い上がってくる。
「くそ……」
再び迫り来る化物の腕を、ダンテの左足が蹴り払い、化物が再び後ずさる。……まずい、また焦り始めている。
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