過去ログ - 静(50)「すまん、八幡。閉経期が来たようだ」八幡(37)「」
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286:mno
2015/01/18(日) 22:29:35.98 ID:vlB2OMme0

雪乃「どう?初めてのシャンパンは」

八幡「すっぱい」

結衣「それだけ?!もうちょっと言うことあるでしょ!」

八幡「そう言ってもな……俺はソムリエとかじゃないんだよ」

結衣「うう……ヒッキーのために買ったのに、こんな反応じゃ期待したあたしがバカみたい……」

雪乃「はあ……本当に空気を読めない男ね」

八幡「え、これ俺の為に買ったの?」

結衣「奉仕部の三人のためだからヒッキーのためでもあるんだよ!」

八幡「そ、そうか……」

八幡「その、なんだ……まずいってわけじゃない。美味いと思う。でも俺、酒はもうやめようかなって思ってたところだから……」

結衣「え?なんで?」

八幡「……酒のせいで色々やらかしたっていうか、この前も……いや、あれは違うな……」

雪乃「クリスマスの事なら気にしないで。みっともない姿はいつものことでしょ?」

結衣「うん〜あたしは途中から寝てしまったから、よくわからないけど」

八幡「そんなことじゃ……いや、なんでもない。まあ、せっかくの貴重な酒だし、お前の誕生日だから今日くらいはいいか」

雪乃「そうよ。今日は特別だもの」

結衣「うん、そうだね」

相槌を打つ由比ヶ浜さんの笑顔が微妙に強張っているのがわかる。私も同じだったから。
あと一杯。
あの酒の瓶が空になる時、私達は長い時間、この胸で育んできた思いを彼に打ち明けるのだろう。
待っててもどうしようもない人には、こっちから行くものだと、由比ヶ浜さんは言っていた。
本当にその通り。比企谷くんを待っていたら、多分お婆さんになってしまうから。

八幡「ふう、美味しかったよ。ありがとな」

雪乃「そう……」

結衣「……」
私の人生で、ここまで緊張した事があったのだろうか?
初めて母に逆らった時も、これほど胸が苦しくはなかった。比企谷くん、貴方が側にいてくれたから。
でも今は貴方が側にいるせいで、こんなにも胸が高鳴る。緊張するほど、実感が湧き上がる。
ああ、私はこんなにも、比企谷くんを好きなんだ……
それはきっと由比ヶ浜さんも同じだ。

八幡「ん?どうした?なんでふたりとも俺をそんな目で見てるんだよ」

結衣「え?あ、な、なんでも……」

雪乃「……」

いまから、一人は泣き、一人は笑うことになる。
でも大丈夫。もし私が選ばれなかったとしても、私は笑える。
相手が由比ヶ浜さんなら、心から祝福する事が出来る。それはきっと由比ヶ浜さんも同じ。
だから……

雪乃「ひ、比企谷くん」

結衣「ひ、ヒッキー」

八幡「どうしたんだよ、ふたりそろって」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「ふう……実は……」

八幡「あ、そういうばお前らに言わなきゃならない事があったな。……実はその、俺、平塚先生と付き合う事になったよ」


私達は、誰一人笑えなかった。



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