過去ログ - P「......会員制オーディション?」
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名無しNIPPER
2015/01/04(日) 04:25:40.09 ID:OrkLoRtG0
その夜も、いつぞやのように、ゴミ捨て場に捨てられた。
酒を飲んでも飲んでも、酔えなかった。
その割には、頭痛と吐き気がひどい。
壁によりかかりながら、路地を行く。
ままならない足取りが、自分の未来を暗示しているようにさえ感じた。
歩きなれた家路を歩くと、見慣れない出店を見つけた。
易者が占いをするような、机に布をかぶせただけの簡素すぎる佇まい。
だが、俺は吸い込まれるように、前に立った。
店は、おそらく女性が店番をしていた。
おそらくというのは、大きめの蛍光色のフードをかぶっていたからだ。
フードからは、茶色い三つ編みのおさげが伸びている。
P「ここは、なんの店なんだい?占いかな?」
机の上には何もなく、看板すらなかった。
女?「会員制オーディションのチケットです。」
女は、胸元からスルリと、一枚の発光しているチケットを取り出した。
P「会員制のオーディション?なんだいそれは?」
俺は、そのチケットの光に目を奪われていた。
女?「会員制のアイドルのオーディションのチケットです。きっと、あなたのお悩みを解決してくれるでしょう。」
P「アイドルだって!?...それに、俺の悩みを解決って...あんた...」
胸に気味悪さと、怒りがわき起こる。
女?「千円でございます。」
P「おい!あんたに、なにがわかるっていうんだよ!!ふざけやがって!」
女?「千円でございます。」
もう、女は、何も答える気がないようだ。
その声からは、なんの感情も感じられず、現実味すらなかった。
そんな不思議な雰囲気に当てられたのだろうか。
俺は、それを買ってしまった。
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