過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:34:07.51 ID:EM5bJfah0
立会人さんは、そんなボクを一瞥する事さえなく、ボクの後ろに向かって去っていきます。
呼び止めないと。
一緒に探して貰わないと。
以下略
28
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:36:06.31 ID:EM5bJfah0
いい学校に通わせてくれて、突然アイドルになるなんて言ったボクの言葉を了承してくれた両親に、これ以上迷惑をかける事だけは阻止しないといけません。
ですが腕に力が入りません。
足にもです。
以下略
29
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:37:30.01 ID:EM5bJfah0
「だ、大丈夫か?」
正面から声がしました。
男の人の声です。
以下略
30
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:39:02.73 ID:EM5bJfah0
男の人は少し間を開けて、もしかして、と言いました。
「ライブバトルで負けちゃったのか?」
ボクはかぶりを振ります。
以下略
31
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:40:02.53 ID:EM5bJfah0
どうしたら伝わる?
出来るだけ短い単語で。
「く……く、つ……」
以下略
32
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:42:07.69 ID:EM5bJfah0
次の瞬間、自分でも不思議なほど俊敏に体が動きました。
男の人から奪うように紙袋を取り返して、抱きしめます。
「……よかった。本当によかった……」
以下略
33
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:44:11.71 ID:EM5bJfah0
普段のボクが見たら、鼻で笑ったかもしれません。
ですが、これは男の人の厚意です。
無下にしようとは思いません。
以下略
34
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:45:31.73 ID:EM5bJfah0
「それで鼻をかんでもいいからな」
「……かみませんよ、はしたない」
ボクはそう言いながら、鳴るべく音が出ないように鼻を啜ります。
以下略
35
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:46:47.12 ID:EM5bJfah0
「だ、大丈夫です! 少し休めば立てます! ボク、カワイイですから!」
強がりを言ってみました。
最後の言葉は、自分でもどうして口にしたかわかりません。
以下略
36
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/01/06(火) 21:50:18.95 ID:EM5bJfah0
男の人はおもむろに上着の懐から携帯電話を取り出しました。
画面を何回かタップして、耳に添えます。
「……もしもしちひろさん、今どこにいます? ……あぁよかった。近いですね。すみませんが、俺のところまで来て下さい」
以下略
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