過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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32:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:42:07.69 ID:EM5bJfah0
 次の瞬間、自分でも不思議なほど俊敏に体が動きました。

 男の人から奪うように紙袋を取り返して、抱きしめます。

「……よかった。本当によかった……」

 男の人が驚いて尻餅を突いている姿に目も向けず、ボクはそう呟き、力を込めます。

 ボクがよく顔を出しているお洋服屋さんのロゴが入った紙袋を抱く腕に。

「そっか、君のだったんだ。丁度それの持ち主を探してたところだったんだよ」

 そうだ、この人にお礼を言わないと……。

 そう思いながらボクは、改めて男の人へ顔を向けようとしました。

 けど、男の人の顔より先に、掌に乗せられている男性用のハンカチが視界に入りました。

「こんなんで悪いけど、使いな」

 ハンカチを差し出されているのだと、男の人の言葉を聞いてボクはようやく理解しました。

 アイロンがけをしていないのか、ポケットに何日か入れっ放しにしていたのか、ハンカチはいくつもの皺が刻まれており、角は折れまがっています。


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