過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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55:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:43:21.15 ID:EM5bJfah0
「……うん、俺たちは輿水さんに無理強いをさせるつもりはないよ。嫌なら嫌でいいんだ。アイドルだけが君の人生じゃないんだから」

 プロデューサーさんは上着の懐を漁り、二枚目のハンカチを取り出しました。

 それもボクが握っている一枚目と似て、皺だらけでした。

 プロデューサーさんはそのハンカチを持っている手をボクへ伸ばし、目尻に優しく押し当ててくれました。

 右目が終わると、左目にも。

 興奮し過ぎて、また涙を流してしまっていたようです。

「ただ、一つだけ輿水さんの誤解を訂正させて欲しい」

「ボクの、誤解……?」

「靴を隠したのは、君がオーディションを受けた事務所じゃない。別の無関係なアイドルの子だよ」

 ボクの顔からハンカチを離しつつ、プロデューサーさんはそう言いました。

 信じられない。

 そう思うけれど、ボクは言葉にしませんでした。

 プロデューサーさんが嘘を言っているようには見えなかったからです。


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