135: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:13:33.05 ID:Gif6CRJWo
運命のいたずらと言うべきか、はたまた星の巡り会わせとも言うべきか、
僕はこの女性と関わってしまったということに今更ながら何者かの意図を感じてしまうことがある。
もちろんそんなものは僕の勘違いなのではあろうが、
136: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:14:06.10 ID:Gif6CRJWo
油断した。
まさか僕が轢き逃げされるとは……。
人間に化けてたし轢いていったやつも慌てて逃げてたな……。
137: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:14:33.31 ID:Gif6CRJWo
気づくと僕はどこかの診療所らしきところにいた。
138: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:15:01.43 ID:Gif6CRJWo
「あら?命の恩人に感謝の言葉もなしかしら?」
139: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:15:30.31 ID:Gif6CRJWo
「人間の姿にもなれるのだからきっとお話できるはずでしょう?」
140: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:16:21.78 ID:Gif6CRJWo
「どうして僕を助けたのです?」
「私は獣医だからよ。ここは私の病院なの」
141: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:16:50.65 ID:Gif6CRJWo
「女性に先に名乗らせておいてあなたは名乗らないのかしら?」
「そちらが勝手に名乗ったのではありませんか……。山城総次郎です」
142: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:17:38.90 ID:Gif6CRJWo
「私ね。小さいころからずっと動物と話してみたいと思ってたの。
でも大きくなるにつれ話すのは無理ってわかったから、
せめて動物たちの気持ちがわかるようになりたいと思って獣医を目指したの」
143: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:18:07.47 ID:Gif6CRJWo
一瞬見せた子供のような眩しい笑顔に少しドキりとしてしまった。
それはずっと心の奥に押しこめていた『純真さ』とでもいえばいいのだろうか、
そういうものを彼女に垣間見ることができたからだろうと今では思う。
144: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:18:54.16 ID:Gif6CRJWo
「あなたはいつまで経っても私の物になってくれないのね」
145: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/23(金) 23:19:28.96 ID:Gif6CRJWo
「あまり人を、いや『妖狐』をからかうもんじゃありませんよ。陽子さん」
「ふふ、そうね。……そうよね」
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