198: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 22:58:46.71 ID:ciDAKPAlo
そう言って私は帰路につく。
実家に着くと両親は暖かく私を迎えてくれた。
こんなぶっきらぼうな私を受け入れてくれる数少ない人たち。
199: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 22:59:14.17 ID:ciDAKPAlo
私は毎日のようにあの神社へと向かった。
まだまだ寒い時期だ。朝早くから向かうのは少々大変だったが、
あの子たちに会えるのだと思えばそれも苦ではなかった。
200: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 22:59:40.61 ID:ciDAKPAlo
「そうだな……『陽子』でどうだ?」
「いいけど……弥栄くんに下の名前教えたことあったかしら?」
201: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:00:09.67 ID:ciDAKPAlo
「おま……陽子さんは毎日ここにきてるがそんなに暇なのか?」
「私は大学生だからね。今はちょうど長期休暇なのよ」
202: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:00:35.76 ID:ciDAKPAlo
何かはぐらかされたような気がするが、
彼の雰囲気が「これ以上深く聞くな」とこちらに警告しているように感じたので、
私もそれ以上は聞こうとしなかった。
203: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:01:02.06 ID:ciDAKPAlo
最近では普通の会話すらあまりしなくなっていた私としては久々に普通に話せる相手だったので、
なるべく親しくなりたいとは思って嫌がられない程度に話しかけようと努力はしていたのだが、
彼からは一向に近寄ってくれそうにないように思えていた。
204: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:01:28.11 ID:ciDAKPAlo
夕食時、私の浮かない顔を見て察したのは父が話しかけてきた。
205: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:02:05.18 ID:ciDAKPAlo
「そう……そうね。ちょっと悩んでいることがあるの」
「そうかい。それはなんだい?少しなら父さんが相談に乗るよ?」
206: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:04:18.42 ID:ciDAKPAlo
「陽子、一ついいかい?」
「なに?お父さん」
207: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:05:00.86 ID:ciDAKPAlo
「ちょ!?お父さん何言ってるの!?た、確かに男の人だけどそういうんじゃ……」
「ははは、陽子もそういう顔をするんだな。お父さん安心したよ」
208: ◆/5u1xsuUH.
2015/04/23(木) 23:05:36.84 ID:ciDAKPAlo
「うん、ありがとうお父さん」
「わかってくれたみたいで嬉しいよ。ところで陽子」
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